6. アルマイト被膜の標準板作成

 静電容量式膜厚計 アドミッタンスゲージは、アルマイト被膜用の標準板を付属しておりません。

アルマイト被膜の誘電率設定は困難を要するために、アルマイト被膜を渦電流式膜厚計で測定した、平均膜厚μmを校正値として入力します。

 

 渦電流式膜厚計によるアルマイト厚さを測定する方法は、試験片の材質と板厚により測定値が変化しますので、試験片と同じ材質で寸法40mm×40mm厚み1.5~2.0mmの中心部に約φ12mmの円形を描きます。円形内を渦電流式膜厚計で20か所以上測定した、平均値を既知標準板の数値とします。測定に当たっては、円形の外周線は線の厚みによる誤差発生要因となりますので必ずφ12mm内で測定するように注意してください。

 

 正確な管理用標準板および校正用標準板をご希望の場合は、渦電流式厚さ試験法、 JIS H 8680-2:1998 付属書に基づいた、試験片製作メーカーと最寄りの公的試験機関 (走査型電子顕微鏡SEMと渦電流式膜厚計を保有しているところ)にお問い合わせください。

 

<正確な標準版作成に当たっては以下のa~eにご留意ください>

 

a) 素地材質:A1050P。(または、試験片と同一材質)

b) 寸法および形状:40mm×40mm、厚さ1.5~2.0mmとし、表面粗さは0.1Ra以下。

c) 試験片製作メーカーの一例紹介:(株) スタンダードテストピース 素地材質、表面処理条件、アルマイト

の 種類、被膜厚などの打ち合わせが必要です。 d) 管理用アルマイト標準板 (走査型電子顕微鏡 SEM断面測 定)。

e) 校正用アルマイト標準板 (dの標準板を渦電流式膜厚計で校正した測定)。  

 

などのトレーサビリ ティ の標準板ができます。